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定義森林鉄道跡の廃木橋群 その1

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定義森林鉄道跡の廃木橋群 事前情報 - かまねこ古道

 


 仙台市民には非常になじみ深い観光スポットである定義如来。平家落人伝説が残る歴史ある寺院であると同時に、中毒性ある油揚げの販売スポットとして地元では非常に有名のようです。

 

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 資料によるとこの付近がかつて定義森林鉄道の起点となっていたとのこと。

 しかし周囲を見渡す限り森林鉄道との関連性を伺わせるような物は特に見当たりません。

 地域によってはこういった場所にかつて林鉄で使われていた機関車が展示されていたりすることもあるんですが、見回してみても特にそういったものはなさそうです。

 果たしてどこに起点(駅 というか貯木場)があったのか、残念ながらこれを書いている現在のところ駅の位置を確認できる資料を持ち合わせていません。

 

 

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 現在の定義如来周辺です。果たして駅があったのはどこか...

 おそらく当時の様子をご存じの方はそれなりにご健在だと思われるため、ある意味自明の事実なのかもしれないですが、興味深いので推理してみたいと思います。

 

 

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 同じ場所の1976年(昭和51年)の航空写真です。(クリックして拡大)

 この写真の時点で、林鉄廃止からすでに10年以上が経過しています。

 実は、先ほどの航空写真にも表示されている「定義交流センター」内には、撮影年は不明ですが、おそらく林鉄廃止後、かつ1976年以前に撮影されたと思われる定義如来周辺の俯瞰写真が掲示されています(ここには掲載できませんので興味がある方は見に行ってみてください。)。

 その写真を見る限り、定義如来から十里平に至る現在の道(仮に「新道」とします)はまだ見当たりません。変わって、定義如来の門前商店街を突っ切る細い道が十里平側に向かって伸びていました。(仮に「旧道」とします)

 こういった状況証拠と、新道の直線的な形状を踏まえると、新道は森林鉄道の軌道敷を転用したものではないのか、との一応の推測が成り立つような気がします。

 このような推測を踏まえてさらに駅の位置を推測したのが上の写真、旧駅候補1、旧駅候補2です。到着した木材を貯めておくとすると相当広い敷地が必要であり、そう考えるとこの二つのいずれかではないかと思うのですがいかがでしょうか?

 

 資料が整って答え合わせができ次第更新したいと思います。

 

※3月14日追記

 事前情報編でお伝えしたとおり、資料(秋田魁新報社刊「近代化遺産 国有林森林鉄道全データ東北編 (㈶日本森林林業振興会秋田支部・青森支部 編))を入手することができました。

これによると、

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  路線の起点は現在の定義交流センターのあるあたりということのようです。

 とすると、駅(貯木場)の位置もおのずとその周辺であったと考えるのが自然だと思われます。ということで、一応の正解は「旧駅候補1」地点の可能性が高いとの結論に至りました。

 

 

 

 次回からいよいよ旧軌道敷きをたどっていきたいと思います。

 

 

続く

 

定義森林鉄道跡の廃木橋群 その2 - かまねこ古道